テイクアウトで成功するための原価率の考え方
ここ数年ですっかり定着した「テイクアウト」。
すでにテイクアウトを導入している飲食店も、これから導入を考えているお店も気になるのは「どうすればテイクアウトで利益がアップするのか?」という点でしょう。
ここでは、テイクアウトの原価率について、その計算方法や考え方を解説していきたいと思います。
飲食店の原価と原価率
飲食店のみならず、お店を経営するときにしっかり把握しておかなければならない数字のひとつが原価・原価率です。
一般的に原価は商品(料理)を作るために必要な費用のことです。
飲食店の場合の原価は原材料費(食材費)にあたります。そして、原価率とは売上に対して原価が占める割合のことを指します。
「商品(料理)を作るために必要な費用」の定義に関しては、さまざまな考え方があります。
食材や調味料などの材料費のみを指す場合もあれば、材料費以外にも外部に調理を委託した場合の外注費、従業員などの給料や社会保険料負担費などの人件費などを、原価に含む要素として考える場合もあります。
原価率の計算式は以下のようになります。
原価率%=原価÷売上金額×100
たとえば、原価50円のサンドイッチを200円で販売した場合、
50÷200×100=25%となり原価率は25%になります。
目安は原価率30%
さきほど、原価50円のサンドイッチを200円で販売した場合の原価率を出しましたが、通常は一品ずつ計算するのではなく、月ごとなどまとまった期間で売り上げと原価を計算し、原価率を出すことが一般的です。
飲食業界全体での原価率の平均は30%前後と言われています。
しかし飲食店の中でもその業態(お店のジャンル)によって、原価率には差があります。
たとえばドリンクの種類が豊富なカフェや喫茶店などは25%から30%、弁当屋では35%から45%が多いと言われています。
適正な利益をあげるためには、原価率について正しく理解し、原材料費・人件費を管理していくことが重要です。
飲食店の原価率は30%が目安だと一般的に言われていますが、原価率は低ければ低いほどいいというものではありません。
ポイントになるのは、お店にとっての適正な原価率を把握し、業態や経営戦略に沿ってメニューやドリンクの価格を変化させていくこと。
まずは正しくお店の原価率を算出し、店舗の経営に役立てましょう。
「飲食店の原価率は30%が目安」というのは、売上高のうち、次のような経費と利益の配分を前提に出されています。
・原価率…30% ・人件費率…30% ・家賃費率…10% ・光熱比率…8% ・その他経費…12% ・利益…10%
テイクアウト特有の経費と原価率
テイクアウトの場合にはイートインで使用する原価に加えて持ち帰りの容器や袋などを別途用意する必要があり、新たな経費が発生します。
しかし一方で、テイクアウトを導入することで経費を削減できたり、効率化を図れたりする費用もあります。
テイクアウトサービスを導入することで追加でかかる費用
テイクアウト用の消耗品:持ち帰り用の容器、割りばし、ナプキン、お手拭き、ビニール袋など 作業コスト:料理を容器に詰める時間、備品の準備 開発コスト:テイクアウトのためのメニュー開発・検討にかかる時間や費用 宣伝コスト:テイクアウトを周知するためのチラシ代、広告宣伝費 廃棄コスト:売れ残った商品のコスト、廃棄するためのコスト
経費などを計算する際に必要な原価率は、テイクアウトの場合、食材だけでなく容器や包装代なども考慮する必要があります。
テイクアウト資材を「原価」と考えてしまうと、当たり前ですが飲食店のイートインに比べテイクアウトの方は原価率が高くなります。
一方で、テイクアウトだからこそ削減できているコストも存在します。
削減または効率化できる費用
食材ロス削減:受注経路が広がることで食材を使用する機会が増えるためロスを軽減できる。 機会損失削減:通常営業では売り上げアップのために回転率を高めなければなりませんが、テイクアウトでは席数や滞在時間などを考慮することなく売上アップにつながります。 作業効率アップ:販売するメニューと個数をあらかじめ決められるテイクアウトでは、同一商品を一斉に作る事ができ、調理時間を短縮並びに光熱費の節約が可能です。 また、テイクアウトメニューを決めていれば事前に使用する材料が分かっているため、前もって材料を発注したり、補充したりするなど食材を管理する時間も短縮できます。 人件費の削減:イートインで必要なオーダーを取ったり、テーブルまで運んだり、食器を片付けたり、洗ったりなどにかかる時間を軽減し、人件費の節約につながります。
テイクアウトを行うことで原価は容器代など単純に上がってしまいますが、その一方で人件費や光熱費においては削減できる費用もあるため、テイクアウトを始める際には、原価率だけではなく、その他の経費についても事前に見積ることが大切になります。
テイクアウトサービスは人件費・光熱費の削減につながります。
予約制のテイクアウトにした場合は計画的な厨房運用を行うことができるなど、さらに人件費・光熱費が削減できることになります。
加えて、お客様が席に着いた際に行う接客というサービス経費もかからないため、その分食材費と容器代に充てることが可能なのです。
同じお店、同じ商品であっても、経費バランスが違う商品だという意識でテイクアウトサービスを導入すれば販売価格の調整は容易になります。
また、テイクアウトでは持ち帰り容器にこだわったり、テイクアウトも連動したサービスを導入したりするなど付加価値を付けることで他店との差別化を図ることも可能になります。
テイクアウトの原価率を下げるためには
テイクアウトの原価率に対する考え方は前項でお話ししました。とはいえ原価率を少しでも下げることは利益に直結します。
テイクアウトの原価率を下げるためには、イートイン同様、経費の管理を徹底することが重要です。
単純に原材料費を下げる方法もありますが、野菜など季節や市場によって仕入れ価格が変動することもありますし、最大のお店の売りである料理の味に大きく影響するため、簡単に原材料費を下げることはリスクを伴うでしょう。
これに対し持ち帰り用の容器などの包装材は比較的価格変動が少なく、コスト削減の対象として見直しやすい項目になります。
あわせて食材や包装材の在庫管理を徹底し、必要な分だけ適宜発注すれば、余剰分を廃棄する必要がなくなり原価率を抑えられます。
他にはメニューが増えすぎていないか、同じ食材で使いまわしがきくメニューを考案するなど、メニューの見直し、オペレーションに人手を撮られ過ぎていないかなどを検討することが、原価率を下げる方法として挙げられます。
お店全体の原価率を抑えるためには、テイクアウト以外でもお店全体のコスト削減対策とすて意識しておいた方が良いででしょう。
FLコスト
飲食店を経営する際、特にコントロールが重要になるといわれているのがFLコストです。
FLコストとは、食材費(Food cost)と人件費(Labor cost)を合わせた経費のことです。
通常人件費、食材費共に30%前後が目安といわれ、FLコストを55%から60%に抑えることを目標にすべきとされています。
フードとドリンクメニューの比率
ドリンクメニューはフードメニューと比べると原価が安く、季節や天候の影響を受けないため仕入れ値が安定しています。
フードメニューと一緒にドリンクも追加オーダーしてもらえれば、客単価もアップします。
そのためにもドリンクメニューを充実させたり、フードメニューとのセット割引を設けたりと上手く活用すれば、原価率を抑える上で有効でしょう。
テイクアウトでもドリンクとのセット販売やドリンクをプラスして注文してもらえる工夫をするとよいでしょう。
原価率30%に縛られ過ぎない
原価率は30%が目安といわれていますが、全メニューを30%以内にしなければならないというわけではありません。
看板料理では原価率が30%を超えてでも原材料にこだわり、他のメニューで原価率を抑えるなど、全体のバランスを見ながらメリハリをつけましょう。
そうすることで、お店の売りやアピールポイントを明確にしながらも原価率を抑えることができます。
その際のポイントは、力を入れる看板メニュー(原価率が高い)と利益を出せるメニュー(原価率が低い)メニューを組み合わせ、トータルで考えることです。
看板メニューの原価率がたとえ50%になっても利益を出せるメニューも出ることで全体の原価率を30%にもっていけばいいのです。利益を出せるメニューがよく売れるほど、その飲食店の原価率は下がるのです。
容器などの消耗品は見直しやすい テイクアウトの強い味方『パックマーケット』
一般的に、テイクアウトにおける容器のコストは、商品原価の5%ほどに留めたほうがよいとされています。
とはいえ、テイクアウトの容器は料理を美味しくお客様のもとへ届けるだけではなく、お店のイメージ付けや見栄えなど、重要な役割を担っているため、安易に価格だけで決めることはできません。
そんなときに強い味方になってくれるのが『パックマーケット』。
『パックマーケット』は業界トップクラスの品揃えを誇る、テイクアウト容器等を扱うワンストップ専門通販サイトです。
『パックマーケット』の特長
入会費・年会費無料
事前の会員登録が必要ですが、登録料、入会費、年会費などは一切かかりません。
サンプル無料
7000種類以上の対象商品から15種類まで無料でサンプルを試すことができます。サンプルにはレジ袋やカトラリー類も用意されていて、実物で試すことができるので発注も安心です。
豊富なラインナップ
多種多様な容器、使い捨てスプーンなどカトラリー類、おしぼりやレジ袋、ポリエチレン手袋やヘアキャップなどの衛生関係商品、除菌・消毒関連のアイテムまで揃っています。
ショップロゴや店名を入れた名入れアイテムもあるのもポイントです。
小ロット注文も可能
必要な分だけ注文できるので、過剰在庫を持つリスクが軽減されます。
容器のコストダウンを図るため、大量購入することで一回の支払い金額が莫大になったり、過剰在庫を抱えて使いきれずロスを出したり、保管場所に困ったりするなどのケースも見受けられます。
適正な容器を適正数量発注することも長い目で見れば、テイクアウトの原価率を下げることにつながっているのです。
まとめ
テイクアウトで成功するための原価率について解説してきました。最初にもお話ししましたが、一口で飲食店といってもその業態によって原価率には幅があります。
自分の飲食店の業態の理想的な原価率を算出すると共に、テイクアウトだけでなく全体的にコストの見直しをしていきましょう。
テイクアウトにおいては、容器や袋などテイクアウト特有の経費をきっちり計算しつつも、テイクアウト導入で得られるメリットも加味して、しっかりと利益が出る適切な価格設定で販売しましょう。