会社でできるSDGsの取り組みについて | 実際の事例もご紹介!
SDGsへの取り組みは、世界中のあらゆる業界で取り組みが求められています。
持続可能な社会を目指し、貧困・環境問題・ジェンダーレス・多様化など様々な目標が掲げられており、中には会社内でできることもあります。
そこでこちらでは、実際にSDGsで掲げられている目標や、会社でできる取り組みの内容についてお伝えします。
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、国連サミットで採択された行動目標のことで、日本語では「持続可能な開発目標」と言われています。
地球温暖化や貧困格差、ジェンダー問題などが関係しており、これらの問題を世界中で共有し、改善しながら次の世代に引き継いでいこうとする目標内容になっています。
具体的には、17の行動目標が掲げられ、その下に169の達成基準と232の指標が定められています。
目標 | 内容 |
1.貧困をなくそう | あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる |
2.飢餓をゼロに | 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する |
3.全ての人に健康と福祉を | あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する |
4.質の高い教育をみんなに | すべての人々へ包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する |
5.ジェンダー平等を実現しよう | ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う |
6.安全な水とトイレを世界中に | すべての人々の水と衛星の利用可能性と持続可能な管理を確保する |
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに | すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する |
8.働きがいも経済成長も | 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働き外のある人間らしい雇用を促進する |
9.産業と技術革新の基礎をつくろう | 強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及び技術革新の推進を図る |
10.人や国の不平等をなくそう | 各国ない及び各国間の不平等を是正する |
11.住み続けられるまちづくりを | 包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市および人間居住を実現する |
12.つくる責任 つかう責任 | 持続可能な生産消費形態を確保する |
13.気候変動に具体的な対策を | 気候変動及びをの影響を軽減するための緊急対策を講じる |
14.海の豊かさを守ろう | 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する |
15.陸の豊かさを守ろう | 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の促進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化への阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する |
16.平和と公正をすべての人に | 持続可能な開発のための平和で包摂的社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する |
17.パートナーシップで目標を達成しよう | 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する |
これらの目標は、国連加盟国に対して2030年までに達成することが望まれています。国や公的機関の取り組みだけで実現することは困難であり、各企業や個人もSDGsの理解を深めて行動を変化させていくことが必要です。
また、SDGsの取り組みを進めることで、企業の課題解決や技術の進歩などビジネスチャンスが広がることも期待されています。
SDGsに取り組むメリット
企業のSDGsへの理解は少しずつ深まっており、取り組みを行う企業も増加傾向にあります。
ここからは、実際にSDGsに取り組むことで、どのようなメリットがあるのか説明していきます。
企業のブランディングアップにつながる
SDGsへの取り組みによって社会に貢献していることをアピールできると、企業ブランディングの向上が図れます。
直接売り上げにつながるイメージがあまりないかもしれませんが、長期的に見ると、SDGsの目標達成により経済効果・雇用の創出が見込まれます。
そのため、長期的な視点でSDGsに取り組むと、企業の評価をより高められるというメリットにもつながります。
対して、社会的な課題解決に積極的でない企業は、企業としての伸びしろが少ないと判断されるリスクもあるため、対外的に企業の価値を知ってもらうためにも必要な取り組みです。
株主や顧客に対するアピール
投資をする際にも、SDGsへの取り組みなど社会貢献活動を行っていることが重要視される場合があります。
特に、ESGは「Enviroment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」を意味しており、環境や社会へどのくらい貢献しているかが重要視される投資です。
重要視される理由は、環境・社会・ガバナンスに配慮した企業へ資金を投資することが目的のためです。正しくSDGsに取り組むことで、投資先として選ばれると資金調達面でもメリットがあることが分かります。
求職者に対するアピール
求職者の中でも特に、就活を行う20代の若者は、教育プログラムの中で環境や社会問題について触れる機会が多い世代のため、社会問題について関心が高い傾向にあります。
就活中の大学生及び20代の社会人へ行った調査では、就活生の7割以上・社会人の半数以上がSDGsに取り組んでいる企業に対して志望度が上がると回答しています。
そのため、社内で正しくSDGsに取り組み、その内容を発信することで採用活動に活かすことができます。
新たなビジネスチャンスの拡大ができる
企業は、取引先や仕入れ先で問題が生じた場合、取引先の社会的信用が失われて倒産するリスクを避けたいと考えます。
なぜなら、取引先が環境汚染・劣悪な労働環境であった場合、取引をしていた自社もイメージダウンにつながる可能性があるからです。そのため、新しい取引先・仕入れ先を探すときは慎重な判断が求められます。
より良い取引先・仕入れ先とつながるためにも、SDGsに関連した経営方針を掲げ、取り組みの成果を発信することで、企業としての信頼獲得に繋げられます。
また、社会問題の解決のためのアイデアや技術は、新たな事業につながる可能性があるため、社会的ニーズを掴むことが企業としての長期的な発展に必要不可欠といえます。
新たな技術やアイデアが生まれることによって、今後のビジネスチャンスが広がっていくことでしょう。
会社でできるSDGsの取り組み
ここからは、実際に会社ですぐにでも始められる取り組みを紹介していきます。
省エネをする
目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」を実現するためには、まず、会社内の業務で使用している物が、環境に配慮された内容になっているか見直しましょう。
リサイクルプラスチック材から作られた文房具を採用することや、再生紙・廃棄野菜を使った名刺などもあり、環境に配慮した素材として注目されています。
普段の業務で使用するものが、環境に与える影響について意識を持つことが大切です。また、オフィスに人がいないときはこまめに電気を消す、休憩時間や席を立つときはPCをスリープモードにするなど、節電に取り組むことも大切です。
日頃からこまめに積み重ねることで、会社全体の大きな省エネにつながります。
ペーパーレス化をする
目標15「陸の豊かさも守ろう」を実現するためには、現在、紙ベースで管理している書類の電子化に取り組みましょう。
紙の資料を廃止し、プロジェクター・メール・ビジネスチャットなどを活用して情報を共有することによって環境への負担を減らします。
紙の材料となる木材を必要以上に伐採すると、地球温暖化を防ぐための森林がどんどん減少してしまいます。それにより、砂漠化や森の生態系が崩れるなど、様々な環境問題を引き起こしかねません。
社内でペーパーレス化に取り組むと、環境に優しいだけでなく、資料を印刷したり資料を探す手間も省けるため、生産性向上にも役立ちます。
しかし、完全にペーパーレス化することは、顧客との契約・やり取りの際に難しい可能性もあるでしょう。そこで、まずは社内でやり取りする書類をペーパーレス化・クラウド化に移行してみるのがおすすめです。
具体的には、給与明細を電子化すれば、社員の人数分発行していた紙の量を減らすことができるので、紙の節約になります。社外との連絡でFAXを利用している場合は、メールに変更するだけでも紙の使用を削減することができます。
リサイクル可能な製品を使用する
目標14「海の豊かさを守ろう」を実現するには、社内で脱プラスチックに取り組むことが大切です。プラスチックは自然に分解されないため、海洋汚染や生物への影響が危惧されています。
例えば、自動販売機でペットボトル飲料を購入したり、ウォーターサーバーやコーヒーメーカーからドリンクを注ぐためにプラスチック製のコップを使用することは多いのではないでしょうか。
そこで、マイボトルやマイカップを利用すれば、プラスチック消費量を削減することができます。また、タンブラー持参で割引になる店舗もあるので、環境に良いだけでなくお得に脱プラスチックを実現できます。
働きやすい環境を整える
目標8「働きがいも経済成長も」の実現に向けて、現代は多様な働き方が求められており、社内での働き方を定期的に見直すことが必要です。
アンケートや面談などを通して、定期的に従業員の働き方への考え方や意見を把握しましょう。
働きやすさ・満足度が高まることでSDGsの目標達成にも近付きますが、何より従業員の幸福度も高まるため、優秀な人材の確保や、従業員のモチベーションを上げることにもつながります。
働きやすい企業であることを発信するためには「企業認定制度」を取得することがおすすめです。
例えば、ディーセント・ワークは働きがいのある人間らしい仕事と訳され、SDGsの「働き外も経済成長も」という目標の中でも触れられています。
企業認定制度では、労働者の安全や、健康を確保する高水準の取り組みを維持している企業に対し「安全衛生優良企業認定(ホワイトマーク)」を与えたり、女性が活躍している企業に対し「えるぼし」を与えるなど、などさまざまな認定が付与されます。
認定を受けていることを発信することで、求職者からも働きやすい環境であると認識されるため、新たな人材確保にもつながっていきます。このように、働く環境を整えることは、会社・従業員の双方にメリットがあります。
防災への対策を行う
目標11「住み続けられるまちづくり」を実現するためには、災害への備えも大切です。災害はいつ起こるか分かりません。
防災対策を見直し、オフィス周辺のハザードマップの確認、防災訓練などを行い、防災意識を高めておきましょう。
災害発生時には帰宅困難になる社員が出てくる可能性があるため、食料や水、防災用品の備蓄を定期的に確認することも必要です。
休暇が取りやすい制度・環境を整える
目標3「すべての人に健康と福祉を届ける」を実現するためには、休暇が取りやすい職場環境を整備することが大切です。
職場の雰囲気づくりとして上司が部下に休暇取得を促したり、日頃から休暇中の社員の業務をフォローできる体制を作っていく必要があります。
また、休暇取得の制度について、誕生日や記念日などに休暇の取得を促す仕組みを作ると、休暇が取りやすくなります。そのほかにも、資格取得やキャリアアップのために休暇取得を認めたり、費用の支援を行うと、社員のスキルが向上するというメリットがあります。
会社でSDGsに取り組む手順
SDGsへの取り組みは重要な課題ですが、実際にどのような流れで取り組めばいいのか解説していきます。
自社の課題を明確化する
SDGsのすべての目標を達成することは難しいため、まず、SDGsの目標と自社の事業を紐づけます。
方法としては、SDGsの17の目標、または169のターゲットを自社の事業と照らし合わせ、課題を明確にし、取り組む優先順位を付けていきます。
企業の目標を決め、取り組みを行う
課題を明確化させたら、次は具体的な目標設定を行います。目標設定は、数値目標やいつまでに達成するか期限を設定していきます。
ゴールだけでなく中間評価ができるような目標設定にしましょう。また、目標の達成度が明確になるように評価基準も同時に設定しておくことがポイントです。
目標が設定できたら、目標を運営方針や戦略に組み込み、実際に取り組みを開始します。運営方針に目標を組み込むことで、SDGsへの取り組みが社内全体で行われるようになるため、より早く目標達成に近づくことができます。
取り組んだ結果を社外へ報告する
実際に社内でSDGsへの取り組みを行った結果を社外に報告すると、客観的な意見やフィードバックをもらうことができ、さらなる取り組みの改善につながっていきます。
また、近年では、会社の評価指標の1つとして、SDGsへの取り組みを考慮する株主・顧客・消費者が増えてきています。企業としての価値にもつながるので、定期的に取り組みの成果を報告していくことが大切です。
ただし、目標達成や取り組み内容の評価に気を取られると、実際には環境に配慮した取り組みを行っていないにも関わらず、配慮しているように見せかける「グリーンウォッシュ」という状況が生まれる危険があります。
そうなると、SDGsの目標達成ができなくなるほか、企業の信頼が失われる可能性もあるため、根拠のある情報を、誇張せず、透明性をもって発表するように心がけていきましょう。
まとめ
SDGsの取り組みを成功させるためには、まず1人ひとりが正しいSDGsの知識を身につけることが大切です。
SDGsと聞くと、国や大企業が取り組むものと感じてしまうかもしれませんが、ここ数年はSDGsについてまとめた書籍やTV番組なども増え、より身近なものになっています。
個人の理解を深めつつ、会社でも目標達成に向けて小さな取り組みから始めていきましょう。『パックマーケット』では、SDGsのために環境に配慮されたテイクアウト容器、カトラリー、持ち帰り袋などの取り扱いを行っています。
これらは、自然由来・リサイクル原料を使用した商品の取り扱いや、森林が適切に管理されていることを証明するFSC認証紙を使用した商品などです。
ペーパータオルや紙袋などオフィスで使う機会があるものも取り扱っているので、ぜひ参考にしてみてください。