コラムCOLUMN

飲食店における食品ロスの取り組みについて | 原因と対策を解説!

飲食店では毎日多くの食材が食品ロスとして廃棄されています。

 

世界規模でSDGsの課題である貧困や飢餓の解消に取り組んでいるにも関わらず、多くの食材を廃棄するのは問題です。

 

国連によって採択されたSDGsや、それを受けて日本で制定された食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)などによって、大企業のみならず個人経営の飲食店においても食品ロス対策に力を入れる店舗は増加しています。

 

今回の記事では、飲食店における食品ロスの原因とその対策について解説していきます。

食品ロスとは?

 

飲食店における食品ロスとなぜ食品ロスの削減が重要視されるのかみていきましょう。

食品ロスについて

飲食店における食材ロスとは、大量在庫による期限切れ、食材の使い残し、利用客の食べ残しなどによって廃棄せざるを得ない食材のことを言います。

 

食品ロスは食材を無駄にしてしまうだけでなく、余計な購入費用や廃棄にコストがかかるため、経営を圧迫する原因にもなります。

つくる責任 つかう責任

SDGsの目標の中で「つくる責任 つかう責任」が掲げられています。大量生産・大量消費を続けていると、地球資源が枯渇し、飢餓や貧困以外にも生態系や環境へさまざまな影響を及ぼす恐れがあります。

 

この目標では、「小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる」とされています。

 

日本全体で年間600トン以上の食品がロスとして廃棄されています。このうちの半数以上が外食産業から出る食品ロスであり、飲食店からは食べ残しや仕込みすぎによるものが多くを占めています。

 

これらは、飲食店側の行動によって減らすことができる問題であり、解決が求められているのです。

食品ロスが増加する原因4選

 

飲食店ではなぜ食品ロスが増えてしまうのか、原因を考えていきましょう。

①仕込みの量が多すぎる

複数のメニューがあり、その日の利用客数も正確に予想できないため、仕込んだ量を使い切れずに閉店を迎えるケースも多いです。

 

曜日や季節、イベントなどの利用客・注文数を分析し、ロスが少なくなるように仕込みを行っていくことがポイントになります。

 

悪天候が予想される場合は、外食しようと考える人も少ないので、仕込みの量をへらすなど、柔軟に対応していきます。

②食材の仕入れが多すぎる

飲食店で使う食材の多くは、長期間保存できないものであり、仕入れた当日~数日以内に処分しなければならないものもあります。

 

使い切れないほどの食材を仕入れてしまうと、当然ながらロスになる可能性が上がります。

 

曜日やイベント、天候など利用客に影響を与える情報を日頃からリサーチし、無駄のない仕入れを行うことが大切です。

③食材の保存方法が悪い

仕入れの量だけでなく、仕入れた食材の管理方法の見直しも大切です。

 

野菜などは適切に保存すると、本来はすぐに傷むことなく保管することができますが、保存方法が悪いと傷む原因になります。

 

仕入れ時に真空パックになっている食品を選ぶことで、長期的な保存が可能になります。

 

仕入れたものを店舗で冷凍しようとすると、食品が劣化するリスクがあるため、品質劣化が少ない下処理済みの冷凍食材の利用を検討するのもおすすめです。

 

正しく保存できれば、鮮度・旨味を維持することができるので食品ロスを減らすことができ、コストを抑えることにもつながります。

④利用者が食べ残してしまう

利用客の人数を予想し、仕込みを行っても、利用客が食べ残してしまった料理は廃棄せざるを得ません。

 

SNS映えする料理をいくつも注文したり、大盛メニュー挑戦企画を行っている飲食店がありますが、食べきれない量の料理を提供するのは問題です。

 

大盛メニュー以外にも、食べ残しが多いメニューはセット内容やメニュー内容を見直して、無駄をなくしていく工夫が大切です。

飲食店が食品ロスの改善に取り組むメリット

 

ここからは、食品ロスを減らすことによってどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

食品廃棄のコストを削減できる

仕入れすぎや、間違った方法による食材の保存によって廃棄する食材の量が増えると、その量に比例して廃棄費用が必要になります。

 

日本は飲食店から出る食品ロスを含めた一般廃棄物の処理に、年間約2兆円の税金を使っています。

 

利益に結び付かない食材が増えるほど、コストだけがかさんでしまうため、食品ロスを減らして、コストを抑えることで経営にプラスの効果をもたらします。

地球環境の改善に貢献できる

食品ロスを廃棄すると、ごみ処理場に廃棄した食材を運搬するためにエネルギーが必要となり、焼却によって二酸化炭素が排出されます。

 

二酸化炭素は地球全体に温室効果をもたらし、地球温暖化の原因となるため、食品ロスの削減同様SDGsで対策が求められているものになります。

 

食品ロスを減らせば、自然とごみの運搬・焼却に必要なエネルギーや排出される有害物質を減らすことにつながるため、環境問題にも貢献できます。

仕入れにかかる費用を抑えられる

曜日やイベントなど過去のデータを参考に利用客数の予想して仕入れを行うようにしましょう。

 

やみくもに大量の食材を仕入れている場合と比べて、廃棄する量が減るため、無駄な仕入れ費用を抑えることができます。

飲食店が食品ロスの改善のためにできること

持ち帰り可能にする

店内で飲食する利用客の数だけでは、仕込んだ食材を使いきれない可能性があります。

 

店内メニューと共通の食材を使ったテイクアウトメニューを充実させることで、食材を無駄なく使用でき売上アップにも繋がります。

 

テイクアウト割引などのサービスを行うと、さらに効果的です。提供した料理を食べきれない場合も、持ち帰りができるよう対応していく必要があります。

 

ただし、調理後持ち帰って再度食べるまでに時間が経過するほど、食中毒のリスクが上がります。

 

そのため、生もの・半生のものは持ち帰らない、清潔な容器と箸を用意しきれいな状態で容器に入れられるようにするなど、飲食店側にも工夫が必要です。

 

食べ残したものを持ち帰る場合は、飲食・保存方法、衛生上の注意点などをまとめたチラシを一緒に渡すと効果的です。

食べ切りを呼びかける

料理を提供する側の努力だけでは、飲食店の食品ロスを減らすことはできません。

 

ポスターの掲示や、メニュー内に食べ残しをへらすよう呼びかける内容を提示して利用者にも料理の食べきりに理解を深めてもらう必要があります。

 

食べ残しが出にくくなるように、セット内容を利用客が選択できるメニューを作ったり、残った料理を容器に入れて持ち帰ることができるようにするなどの工夫がおすすめです。

 

ただし、生ものや半生で提供する料理は、移動時間や保存方法によっては食中毒のリスクが高まるため、持ち帰りは控えてもらいましょう。

料理の量を調整できるようにする

利用客自身で注文時に料理の量を調節できるように、小盛り~大盛を選べるようにしたり、小分けメニューを準備すると良いでしょう。

 

大盛料理や、宴会など大量の食事を用意する場面では、食べきった場合はサービス券を配布するなど、食べきることでのメリットを利用客へ提示するのも有効です。

 

メニューは食品サンプルを店頭に用意、写真を提示するなどして視覚的にボリュームが伝わるようにすると、認識の誤差を埋めることができます。

 

また、盛り付けが多いメニューを注文された場合は、利用客に情報を提供する気遣いも大切です。利用客の食べ残しが多いメニューを把握したり、人気のないメニューは辞める、大皿で料理を提供しないなど、量だけでなく残りやすいメニューを提供しないようにする視点も大切です。

まとめ

 

飲食店では、食中毒やブランドイメージを意識するあまり、食べ残しの持ち帰りを断るケースもあるのが、現状です。

 

しかし、飲食店側の努力だけでは食品ロスを減らすことはできません。食品ロスを減らし、SDGsの目標にあるような貧困・飢餓の問題の解決に取り組むためには双方の意識を変えていくことが大切になります。

 

パックマーケットでは、環境に配慮した素材を使用した容器が多数取り揃えられています。

 

利用客が料理を持ち帰るときの容器や袋として活用することができるので、是非参考にしてみてください。