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飲食店の仕入れはどこから行うべき? | 仕入れ先の選び方もご紹介

飲食店を立ち上げる前に行うべき重要な仕事の一つが、食材の仕入先を決めることです。

 

しかしながら「仕入先」と一口に言っても、それぞれ個性や特徴、利点・欠点が異なり、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

 

これを読めば、飲食店にとって重要な食材の仕入れ先の選び方が分かります。

飲食店における食材の仕入れ先6選

 

ここでは、飲食店における食材の仕入先について解説します。

市場

多くの経営者は市場を買い付け先の一つとして利用しています。

 

市場での取引では生産者から直接仕入れるため、鮮度が高く品質が優れていることが多く、間に入る業者が少ないため価格が比較的リーズナブルになることあり、市場での取引には配送や掛け払いに対応している企業も多数あります。

 

しかし、市場で高品質の食材を安く仕入れるには、業者と良好な関係を築く必要があります。価格の調整が必要であることや、購入がカタログ形式でなければならないことなどから、アクセスの障壁が高い仕入先の一つになっています。

卸売業者

飲食店の商材の調達において、通常は素材の卸売業者が主流と言われます。なぜなら、卸売業者は価格が安く品質も安定しており、大量の仕入れにも柔軟に対応しているからです。

 

しかし食材の価格、品質、および対応には業者間で大きな差があるため、仕入れ先の選択は重要になってきます。

 

また、卸売業者は配送にも対応しているため利便性も高く、掛け払いでの支払いが一般的なため、経費の管理もしやすい特徴があります。

 

ただし、業者によって取り扱っている食材やサービスが異なるため、一概にどの業者が良いということは言えません。飲食店経営者は、自分の店に必要な食材やサービスを提供してくれる業者を選定することが重要です。

 

それでも、最も多くの飲食店が利用しているのは卸売業者であり、候補の一つとしては最適な選択肢と言えます。

小売店

小規模な食品店やレストランが利用する食材の仕入れ先として、スーパーや商店街に存在する精肉店、八百屋などの小売店が挙げられます。

 

しかしながら、小売店で食材を仕入れる際、品数が豊富であるというメリット以外にはあまり多くは期待できません。

 

なぜなら、小売店は一般の消費者を相手に商売をしているため、価格が安いわけではなく、本来低価格で品質がよい店舗も、高値で良くない品質の商品を取り扱っている事もあります。

 

配送に対応していない店舗も多く、仕入れには足を運ぶ必要があるでしょう。しかし、近年はネットスーパーなどのサービスが普及してきており、配送してもらえる場合も増えてきています。

 

ただし、配送料がかかる上に、価格が高く設定されている傾向があるだけでなく、品質については店舗によって異なるため注意が必要です。

 

そのため、小売店は緊急時の仕入れ手段として利用するのが良いでしょう。緊急で必要な場合や、少量だけ必要な場合などに対応できます。

業務用専門の小売店

近年、一般の消費者の間でも業務用専門の小売店が普及し、広く知られています。特に業務用スーパーは、安価な食材を大量に取り扱っており、多くの人々の利用に支えられています。

 

一般的なスーパーマーケットと比較して、業務用スーパーでは値段が安く、量が多いというメリットがあるでしょう。

 

これは、業務用スーパーが、飲食店や企業などのビジネスニーズに応えるため、大量の商品を仕入れていることが背景にあります。

 

しかし、業務用スーパーには、利便性に欠ける点もあります。例えば、配送のサービスは行っていないため、自分で商品を店舗まで取りに行かなければなりません。

 

また、掛け払いにも対応していないため、クレジットカードや現金での支払いが必要です。これらの制約により、業務用スーパーは個人的な買い物先としてはあまり適していないかもしれません。

生産者

各種類の食料品提供者からの直接仕入れは、交渉力や目利き力が必要となる場合があります。直接仕入れる場合、業者を経由しないため非常に安価で仕入れをすることができます。

 

しかしながら、生産者からの提供品の品質はバラバラなため、良質の食材を提供してもらえるか判断する力が必要です。また、生産者ごとに製品が異なるため、複数の生産者との交渉や契約が必要となります。

 

一定量の品物を購入しようとする場合は生産者との交渉力を持つことが重要になるため、間に業者を挟まないことで間接的なコストを節約することが可能です。仕入れをする場合には、生産者とも協力しながら信頼関係を維持すべきです。

卸売業者(通販・ECサイト)

近年、食材の卸売業者も通販システムを活用した販売が増えています。一般の卸売業者と同様の特徴や注意点を持つ一方、通販サイトから手続きや注文が可能であるという利便性が大きなメリットです。

 

特に、繁忙期等であっても、休日や深夜帯での注文や手続きが可能であるため、時間の制約を受けず柔軟性が高くなっています。

 

しかしながら、一般の卸売業者と異なり専任の担当者がいないため、コミュニケーションがとりづらく、良好な関係を築きにくいというデメリットもあります。

失敗しない仕入れ先の選び方・基準

 

飲食店の経営が上手くいくかどうかは、仕入先の選定を吟味する必要があると思われます。

 

そこで仕入先を選択する際には、適切な方法を採用することが重要です。ここでは、飲食店での仕入れ先選びについて解説します。

食材の品質が高いか

繁盛する飲食店を運営するためには、美味しい料理に使用する素材の質が非常に重要です。高品質の食材を入手するには、どのような仕入先を選ぶかが決定的な要素となります。

 

価格に比例して品質の高さが変わるため、予算内で最高品質の素材を入手することが肝要です。

 

そのため、その予算内で最高品質の食材を入手できる仕入先を選択することが重要になります。

サービス内容が充実しているか

飲食店にとって食材調達は日々のルーティーンワークであると同時に、ビジネス運営上の重要な要素の一つです。

 

しかし、仕入れ先を選ぶときにはサービスの充実度合いも見逃せません。サービスが不十分な仕入れ先では、ビジネス運営がスムーズに進まない恐れがあります。

 

したがって、サービスの充実度合いを重視し、より高水準の仕入れ先を選択することが重要です。

 

各業者のサービス内容には特色がありますが、必要な最低限のサービスとしては、購入した食材を店舗まで配送してくれるものなどが一例に挙げられます。

 

また、急な依頼に柔軟に対応してもらえるか、夜間の仕入れにも対応できるかなど、ビジネスにおいて大きな意味を持ちます。

担当者の対応が良いか

卸業者を仕入れ先として検討する場合は、必ず担当者の対応の質や能力を確認することが重要です。

 

高品質な食材や充実したサービスを提供していても、担当者の態度や対応が悪いと、購入や取引にストレスを感じてしまい、業務の効率性を損なう可能性があります。

 

また、対応能力が低い担当者だと、誤った商品や数を受け取ってしまうことがあるため、企業の運営に悪影響を与えることも考えられます。

 

したがって、卸業者の選択においては、担当者の対応力を重視した上で、信頼できる業者と信頼感を築くためのコミュニケーションを大切にすることが大切です。

 

選択した仕入れ先が自社の事業にとって有益であるかどうかを判断する際には、商品の品質だけでなく、担当者の対応力やサポート体制なども含めたトータルな判断を行うことが必要です。

品質を保った上で予算内に収まるか

仕入れ価格の決定は業績に直結する重要なポイントですが、価格が安いからといって、品質を犠牲にするわけにはいきません。

 

品質を重視した上で、コストダウンを実現することが求められます。仕入れ価格は同じ食材でも仕入れ先によって異なる場合があります。

 

それは仕入れ先の契約条件や、販売力などの違いからくるものであり、仕入れ先選びの重要性を再認識させます。そのため、複数の仕入れ先の価格を比較し、品質を確保しながら仕入れ価格を抑制することが重要です。

小ロットでも対応してもらえるか

卸業者の中には、ロット数が一定以上でなければ、対応していない場合があります。

 

ただ、指定されたロット数を仕入れる必要性がない場合もあるため、小規模な注文にも対応している仕入れ先の方が便利です。

 

例えば、少量の食材を購入する場合には、ロット数が大きすぎると食材のロスが多くなります。

 

そのため、小ロットで仕入れることで食材ロスを減らし、仕入れ用予算の節約や収益への影響を最小限に抑えることが可能なので、小ロットでの仕入れが可能な仕入れ先を選ぶことが大切です。

後からまとめて払う「掛け払い」に対応してもらえるか

飲食店では一般的に仕入れ先と取引することが常ですが、その際には当然食材代を支払わなければなりません。

 

しかしながら、急な注文が入って手持ちがない際や、忙しい時には支払いを後日まとめて行いたいと思うこともあるかもしれません。

 

そんな場合に便利なのが「掛け払い」です。掛け払いは、期間を設けたうえで注文を行い、その期間中にある注文を後からまとめて支払う方法です。

 

仕入れの都度支払う必要がないため、多忙な方にとっては極めて利便性が高いものとなっています。しかしながら、掛け払いはあくまでも信用に基づいた取引であるため、業者に信用されることが不可欠です。

 

適切な信用を得るには、長期間にわたって安定した取引を行い続けることが必要であり、まずは軽微な取引から始めて、着実な信頼関係を築くことが大切です。

失敗したくない!食材の仕入れの際に注意すべき点

 

ここからは食材の仕入れの際に注意すべき点について解説していきます。

メイン以外にも複数の仕入れ先を用意しておく

仕入れ先を1つに絞ろうと考える方が多いかもしれませんが、複数の仕入れ先を用意することが望ましいです。

 

仕入れ先を増やすことにはコストや手間がかかるものの、事業継続性を担保することができます。

 

また、仕入れ先を限定することで、仕入れ値が高くなったり品質に問題が生じた場合に、すぐに仕入れ先を変更することが難しい場合もあります。

 

一方で、複数の仕入れ先を持っていれば、納期や品質、価格などを比較することができるため、コスト削減や品質向上が期待できるでしょう。

 

仕入れ先を管理することは手間がかかるものの、効率的な管理方法を見つければ、リスクを抑えながら経営に取り組むことができます。

食材ごとに仕入れ先を分ける

飲食店が味にこだわるためには、食材の品質にも注意を払うことが必要です。食材は仕入れ先によって品質に大きく異なるため、仕入れ先に関しても慎重になることが大切です。

 

仕入れ先を食材ごとに分けると「A社は魚の仕入れに強く、B社は肉の仕入れを得意としている」というように、それぞれの業者が得意とする食材をうまく利用することができます。

 

また、生産者と直接つながることで、質の高い食材を仕入れることもできるでしょう。生産者とつながれば、食材の品質や生産過程について詳しく知ることができます。

 

生産者と交渉するための時間や労力を確保する必要がありますが、質の高い食材を提供するためにはこの手間をかけることが重要です。

定期的に仕入れ先を見直す

飲食店経営において、仕入れ先は特に重要な役割を担っています。

 

しかし、仕入れ先との付き合いが長くなると、つい仕入れ先を固定したくなってしまう傾向があります。

 

このような状況は、ビジネスにとっては成長の妨げとなります。ビジネスを成長させたいのであれば、定期的に仕入れ先を見直すことが必要です。

 

仕入れ先を定期的に見直すことによって、より良い条件で食材を卸してくれる仕入れ先が見つかりやすくなるだけでなく、既存の仕入れ先に対しての刺激にもなります。

まとめ

 

この記事では、飲食店の経営者に向けて、仕入れ先の選定方法や仕入れ時に注意すべき点を紹介しました。

 

これらのポイントを参考に、自分の店舗に最適だと思われる業者を選定することが重要となります。

 

また、仕入れにおいては、品質や価格に関する情報だけでなく、取り扱いやすさや配送のタイミングにも注目することが必要です。

 

経営者は自己の経験に基づいて適切な選択を行い、お店の経営に役立てるべきです。

 

食品自体の仕入はもちろん大切ですが、食器や容器などの仕入も飲食店を経営する上で重要になってきます。テイクアウトの業態も考えている場合、安いかつ耐久性が良い容器やカトラリーを仕入れる先を確保することが必要となってきます。その際は様々な料理の容器や資材を販売している『パックマーケット』をぜひ参考にしてみてください!