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冷凍食品の梱包資材の機能と効果について | 種類や素材をご紹介

「冷凍食品の販売を考えているけど、梱包資材はどれが良いの?」

「ベンチマークしている先はどのような素材を使い、なんでその素材なのか知りたい」

 

冷凍食品を展開しようと考えている中で、このような商品の中身以外の部分の問題に直面しているではないでしょうか?

 

これを読めば、冷凍食品は、どのような機能を持った梱包資材を選べば良いかどうか分かります。

冷凍食品市場が成長している3つの背景

 

ここでは冷凍食品事業が拡大している背景について解説します。

①共働き夫婦や高齢者の増加

単身者や高齢者にとって、冷凍食品は非常に有益です。普段は一人または二人分しか作らない場合、食材を購入するコストと手間は比較的高くなります。

 

そこで、冷凍食品を活用すれば大幅な時短と省力を実現することができます。また、高齢者や外出することが難しい方々には、長期保存が可能な冷凍食品は大きなメリットとなります。

 

冷凍食品を利用することで食材を腐らせてしまう心配もなく、無駄なお金や食材の減少を防ぐことができるでしょう。

②技術の進化

冷凍技術の進化で一番に挙げられるのは、急速凍結技術と呼ばれているのです

 

通常の凍結技術では、氷結晶生成温度帯をゆっくりと通過することにより、氷結晶が大きくなり細胞膜を破壊してしまいます。この理由により、冷凍食品の味が失われ、美味しくないという印象が一般的でした。

 

しかし、急速凍結技術を使うことで、この温度帯を速やかに通過させることができます。

 

これにより、食品のうまみが流れ出てしまうことを防げ、本来の味と風味を保ちつつ冷凍保存することができます。

③外出自粛による需要の増加

新型コロナウイルスの蔓延により自粛生活が続き、外出を控える人が増えたことから、家庭内での食事需要が高まりました。

 

この状況は外食産業に大打撃を与えた一方で、内食・中食市場には大きなシフトをもたらしています。家庭での食事を手軽に済ませるため、冷凍食品の需要が一気に高まりました。

 

家庭内での食事を支える品として、コロナ禍における冷凍食品市場は変化を迎えています。情勢に合わせ、コンビニやスーパーマーケットでは冷凍食品の品揃えを充実させ、生産企業側では安全・安心な商品への切り替えが進められました。

 

このように、コロナ禍における冷凍食品市場は大きく変化を遂げ、その成長が加速しました。

冷凍食品の梱包資材に求められる6つの機能

 

ここからは冷凍食品の梱包資材に求められる機能について解説していきます。

①耐寒性

プラスチックは、その剛性からガラスに比べて丈夫なので、叩いたり落としたりしても簡単に割れることはありません。

 

ただし、一定温度を下回った環境に置かれた場合、プラスチックは凍ります。すると、その剛性が失われ、非常に脆くなり、衝撃を与えると割れやすくなります。

 

このような特性があるため、運搬中にプラスチック容器が割れることがあるのです。

 

しかし、一般家庭の冷凍室の温度状況は、-18℃から-20℃程度のため、適切な耐寒温度のプラスチック容器があれば、運搬中に容器が破損する可能性が少なくなると言えます。

 

そのため、消費者に安心・安全な状態で商品を届けるためには、同じ温度帯で保たれる耐寒プラスチック容器を使用する必要があるでしょう。

 

このような容器を使用することで、運送中の容器割れによる商品の損失を最小限に抑えることができ、顧客に高品質な商品を届けることができます。

②密閉性

冷凍食品のパッケージには、外部から異物が混入しないように密閉性が求められます。密閉性が低いと外気に触れて解凍が始まる可能性があるので、パッケージの密封性を重視する必要があります。

 

特に、冷凍食品は積み重ねて保管することがあるため、ある程度の重みがあっても密閉性を保つことが重要です。

 

また、パッケージ内に空気が入っている場合は、封が開きやすくなるため、通常以上に高い密閉性が求められます。

③衝撃耐性

冷凍食品は輸送時や搬入時、そして陳列時に様々な場面で衝撃を受ける可能性があります。

 

また、消費者によって家庭用冷凍庫に入れられるまで、何度か衝撃を受けることになります。

 

このような理由から、冷凍食品のパッケージには強い衝撃耐性が求められます。衝撃耐性とは、袋が衝撃を受けても破損しないことを指します。

 

しかしながら、ただ袋が破損しないだけでは十分ではありません。封が開くことで中身が汚れたり腐敗したりする可能性があるため、パッケージのどの部分も強い衝撃に耐えることが求められます。

④耐水性

冷凍食品が常に水分にさらされる冷凍庫内部には、霜や氷が付くため、パッケージには耐水性が不可欠です。

 

これは、万一解凍された場合にも、パッケージが破損しないために求められる要件でもあります。

 

冷凍庫には不具合が生じたり、輸送中に問題が生じるなど、冷凍食品が解凍の危険にさらされる状況はつねに存在します。そのため、耐水性は非常に重要な要素であると言えます。

⑤印刷適性

商品を販売するにあたって、商品名や特徴、調理方法をパッケージに表記することが必須なので、印刷する際には印刷適性の良い素材を使用する必要があります。

 

また、商品を消費した後のパッケージは、常温で廃棄されるため、常温でもインクが流れにくい素材を使用することが望ましいです。

⑥高い強度

冷凍食品のパッケージは、輸送中や保管中に破損する危険性があるため、強度が高く破れにくい素材であることが求められます。

 

しかしながら、素材があまりにも強靭である場合、消費者が開封するときに苦労することがあります。

 

例えば、パッケージの封を開けるためには、はさみや刃物が必要になるかもしれません。そのため、パッケージは強度を保ったまま開封しやすい形状に設計する必要があります。

 

パックマーケット』では、パスタやお弁当、ピザなど、あらゆる冷凍食品に対応できる容器が豊富に揃っています。もし容器選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください!

冷凍食品の梱包資材で使わている4つの資材

 

ここからは冷凍食品の梱包資材に使われる素材について紹介していきます。

①トレー

商品を損傷から守るために、プラスチック製のトレーが利用されることがあります。

 

トレーは、商品の形状に合ったものが作られ、商品を保護する効果があります。特に、形状が変形しやすい商品の場合、このようなトレーを使用することで、商品が持つ特徴を維持することができるでしょう。

 

また、冷凍食品の中には、電子レンジで調理する際にトレーが用意されているものがあります。このトレーは、食品が加熱される際の皿代わりに使用されるため、プラスチック製のものが主流です。

 

しかし、加熱調理に使うトレーは、紙で作られたものが使われることがあります。この場合、印刷がしやすく、高温でもインクが流れない素材が必要とされます。

②外装フィルム

冷凍食品の外側には、一般的に「外袋フィルム」と呼ばれるものが使用されます。この外袋フィルムは、商品を入れること以外にも、商品を保護する役割も担っています。

 

また、商品名や調理法の表示などにも使用されるため、印刷しやすく、かつ低温時や平常時にインクが流れにくい素材が求められるでしょう。

 

一般的には、外袋フィルムはプラスチック製が使用されていますが、強度を高め、冷凍による商品の品質劣化を防ぐために、アルミ複合のプラスチック製や樹脂コーティングした紙製も使用されることがあります。

 

これらの材料は、プラスチック製に比べて環境に優しいとされています。

③内袋

冷凍食品には、より美味しい食べ方を提供するために様々な工夫が施されています。その中には、ソースや調味料を添えたものがあります。

 

このようなソースや液体は、プラスチック製の内袋に収められ、パッケージの中に入っています。また、内袋に入れるだけではなく、別添えの具材も内袋に入れられています。

 

さらに、冷凍食品の中には、高級感を演出するためにもっとも外側のパッケージに紙を使用することがあります。紙製のパッケージには、主材だけでなくソースや具材も内袋に収められる場合があります。

 

また、紙のパッケージは、冷凍食品の内部に水分がこもることを防ぐために使用される場合もあります。

④ポリシート

業務用の冷凍食品には、個包装されていないため食品同士がくっついたりぶつかったりするリスクがあります。このため、プラスチック製の「ポリシート」が使用されます。

 

家庭用においては、パッケージの中での冷凍食品同士の衝突を防ぐために、ポリシートが仕切り材として使われることがあるのです。

 

また、麺類などの個包装材としてもポリシートが一般的に使用されています。

まとめ

 

日本の食品産業において、コロナ禍は家庭用冷凍食品市場に大きな変化をもたらし、金額ベースでは業務用よりも多く生産されるようになり、冷凍食品の需要が拡大しています。

 

中食市場が拡大するにつれ、手軽で便利な冷凍食品がますます必要とされることが予想されるでしょう。

 

さらに、冷凍食品は長期保存が可能であり、食品ロス削減にも貢献できるため、持続可能な社会を実現するための重要な手段となっています。こうした背景の中で、冷凍対応容器も進化を遂げており、機能性を持った商品が続々と開発されています。

 

冷凍保存に必要な機能性のほかに、環境に配慮した素材を使った容器や、使いやすさに配慮した製品も登場しています。

 

これにより、今後も冷凍食品市場が拡大し、冷凍対応容器の需要は高まっていくことが考えられます。