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テイクアウトの容器の重要性とは?容器の選び方から価格設定まで解説!

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、生活者の意識回復まで時間がかかりそうな状況下で、飲食店は店内で提供する飲食だけでは収益を得続けることが難しくなっています。

 

そのためにも新たな売上柱を打ち立てることが重要となります。多くの飲食店経営者たちはその方法としてテイクアウトを選択しています。

 

そして、テイクアウトの重要なポイントが容器選びです。複数店舗で同じ料理を提供する際には、お客様も容器も比較対象に加えると考えられますから、今後はお客様一人一人に喜ばれるテイクアウト容器の準備が求められます。

 

本記事ではテイクアウトに最適な容器の選び方について、重要なポイントを説明します。お店の売り上げを上げたい場合は、ぜひ最後までご覧ください。

失敗しない!テイクアウト容器の選び方

 

ここからはテイクアウト容器の選び方について解説していきます。

機能性で選ぶ

機能性での選び方には下記の6つの項目を基準にしましょう。

①こぼれてしまう危険性がないか

外出時に食事をテイクアウトする際、中身をこぼしてしまうこともあるのではないでしょうか。特に、料理に多くの汁気がある場合、中身がこぼれてしまう事故が起こりやすいのです。

 

このような事故を事前に防ぎ、問題の発生を未然に防ぐためには、食べ物を密閉することが最善策となります。

 

内部の食べ物がしっかり保持され、傾いても中身がこぼれない密閉性の高いタイプのフタを採用することが必要でしょう。

②耐水性・耐油性はあるか

紙は、時間の経過により水分による変質や油シミの発生といった特性を持っています。最も不運なケースでは、その変形が水漏れや油漏れの原因となることで、お客様の洋服の汚損といった問題が生じる事態も考えられます。

 

これは、テイクアウトの持ち帰り時間が経過するために発生します。これを防ぐためには、耐水性や耐油性に優れた素材で製造された容器を選択することが必要であり、そのような容器であれば時間が経過しても対応可能といえるでしょう。

③耐熱性・断熱性・保温性はあるか

温かい料理を保存する場合、容器の耐熱性、断熱性、保温性に気を配ることが必要です。高温の状態で保存する場合、容器の見た目だけで判断せず、耐熱性を有するものを選択しましょう。

 

高温で保存することで、有害物質が溶け出す可能性があるので、断熱性のある容器が必要です。容器の表面が熱くならず、熱による事故を予防することができます。

 

温かさを保つことが求められる場合には、保温性のある容器を選択することが望ましいです。

④容器の大きさ・深さ・形は適切か

料理の見た目や印象は、量や盛り付けによって大きく異なります。お客様の満足度を維持するためには、量と容器のバランスを意識して、盛り付けることが大切です。

 

料理において意識するべきポイントのひとつに、料理の量と容器の大きさ、深さ、形があります。

 

適切なバランスが取れていないと、料理が少なく見えたり、詰め込み過ぎでおいしく見えないなどの原因となり、その結果、お客様の満足度を落とすこととなるでしょう。

 

料理の美しさは味だけではなく、その見た目によっても大きく左右されるため、盛り付けの際には、中身とのバランスを考えながら、適切な容器を選択することが必要です。

⑤異なる料理が混ざらないよう仕切られているか

複数の料理を一つの容器に入れる際は、持ち帰りの際に混ざってしまわないように、料理の仕切りを行う必要があります。

 

特に、丼物などでご飯と具材を別々にしなければならない場合には、上下で分けることができる中皿が利便性が高いです。

 

このような仕切りや中皿がある容器も多数販売されているため、適切なものを用意することが大切です。

⑥電子レンジへ対応している容器か

温かい料理を持ち帰った場合、食べる前にレンジで温めるのが一般的です。しかし、その際わざわざ別の容器にうつす手間をかける必要はありません。

 

温めることを想定している料理であれば、レンジに対応した容器を選ぶようにしましょう。

 

そうすれば、お客様にとっても温める手間を省くことができて便利です。逆に、レンジ対応していない容器を使用する場合には、お渡しの際にお客様にその旨を伝えるようにしましょう。

素材で選ぶ

容器の使用する素材には数多くの選択肢がありますが、現在最も一般的なのはプラスチック系製品または紙製品です。

 

どちらの製品にもメリットやデメリットがあるため、お客様それぞれが重視するポイントを考慮した上で、適切な製品を選択することが重要です。

①プラスチック系製品

プラスチック系製品には数多くのメリットがありますが、その中でも最も重要なのはコストが安価であることです。極めてシンプルな構造の製品であっても、1つあたり数円で仕入れることができます。

 

また、プラスチック自体に耐水性があるため、時間が経過しても製品から水分が染み出してくることはありません。

 

しかしながら、安価であることはチープな感じを与えてしまいがちであり、高品質で上品なイメージを求める消費者からは避けられる可能性があります。

②紙製品

メリットとしては、おしゃれなデザインであることが挙げられます。表面プリントされた商品は特に見た目が良く、若い女性にとっては魅力的です。

 

さらに、エコ面においてもプラスの評価を得られます。紙製品は自然に優しい印象を与えるため、お店のイメージアップにも一役買うことができます。

 

一方で、耐水性や耐油性に関しては懸念点もあります盛り付けた後すぐは問題がなくとも、時間が経つにつれて染み出す恐れがあります。

 

そのため、実際に商品を使ってみて長時間に耐えられるかを確かめることがおすすめです。

料理にあった専門の容器を選ぶ

テイクアウト容器には、ただのプラスチック容器以外にも、様々な用途に合わせた容器が存在します。ピザやカレーなど、特定の料理に特化した専用容器もあります。

 

これらの特別な容器は、それぞれの料理に合わせてデザインされており、使いやすさに優れています。ただし、他の料理に使用する場合には、使い勝手に難点がある場合があります。

 

専門的な容器を使用すると、ある程度の品目数が出る場合にはとても便利です。

客層に合わせた容器を選ぶ

テイクアウトを利用するお客様のほとんどが、店内飲食でもよく知られている顧客です。したがって、普段店内で提供するサービスと同様に、容器の品質や見栄えにも注意が必要です。

 

テイクアウトで提供されるお料理が、手軽で美味しいことはもちろんのこと、お客様が満足していただける魅力的な容器で提供されることが重要です。

テイクアウトの容器代は本体価格と税に注意!

 

ここではテイクアウト容器代の考え方について解説していきます。

本体価格をそろえる

本体価格を決めて、その上に適用税率に応じた税額を加算するという方法は、一般的な販売方法の一つです。

 

例えば、300円の牛丼に対して、持ち帰りの場合は24円、店内飲食の場合は30円の消費税が上乗せされ、それぞれ324円、330円で販売されます。

 

このように、消費税は売上金額の一部であり、事業者の収益に直接的な影響を与えるものではありません。しかしながら、消費税法上は、事業者は販売価格に含まれる消費税を正確に申告する義務があります。

 

税務当局は、事業者が申告書に正確に記載した課税標準を信頼性の高いものとして扱います。

 

・持ち帰りの税抜価格(本体) 300円(8%)→  税込価格324円

・店内飲食の税抜価格(本体) 300円(10%)→ 税込価格330円

税込み価格をそろえる

持ち帰りと店内飲食における税込価格が均等になる方法があります。これは、本体価格の設定が店舗によって異なるため、実現可能です。

 

例えば、持ち帰りの本体価格が306円、店内飲食の本体価格が300円である場合、持ち帰りには容器包装代のコストが上乗せされるため、税込価格は330円に設定されます。

 

同様に、店内飲食の場合も税込価格を330円にすることができます。

 

・持ち帰りの税抜価格(本体) 306円(8%)→  税込価格330円

・店内飲食の税抜価格(本体) 300円(10%)→ 税込価格330円

 

持ち帰りであれば安く購入できるという風に思ってしまう顧客がいるため、消費税率が違うことを知っている顧客は不思議に感じてしまう場合があります。

 

ただし、記帳上の注意点を把握することで、適切な納税ができるようになります。具体的には、持ち帰りの売上と店内飲食の売上を正確に区別して記帳することが必要です。

 

たとえば、全てを持ち帰り(テイクアウト)として消費税を8%とした場合、実際の納税額が少なくなってしまいます。このような誤った記帳は、税務署から指摘を受けたり、税金を払いすぎたりすることになります。

 

そのため、自店の売上に対して正確な税金を納めるためには、適切な記帳が重要となります。また、顧客によっては、店内飲食と持ち帰りのどちらかに偏る場合もあります。その際には、売上の内訳を正確に把握しておくことが必要です。

 

全く持ち帰りがなく、店内飲食のみであった場合、納税額が大幅に増加してしまうため、記帳上の区別が重要です。

飲食店におけるテイクアウトの役割

 

ここからは飲食店におけるテイクアウトの役割について解説していきます。

売上の柱になる

現在、新型コロナウイルスの影響により、多くの人々が感染への心配から外出を控えており、外食需要は大きく低下しています。

 

このため、店内飲食だけでかつての売上を得ることは難しく、多くの飲食店がテイクアウトを売上の柱とする方針を取り入れています。

 

しかし、今後はテイクアウトの需要自体もある程度落ち着くでしょう。今後求められるのは、テイクアウトの補完的なものではなく、店内飲食と同等かそれ以上に販売力のあるテイクアウトです。

 

それを実現するには、メニューの品揃えや、デザイン性のあるパッケージ、スマートフォンアプリやウェブサイトでの注文システムの充実などが欠かせません。

 

また、配達サービスの充実も重要で、近年は自転車や原付バイクによる配達サービスを展開している飲食店も増えています。

 

さらに、一部の飲食店は、料理教室や商品の販売などを開始することで、新たな収益源を見出しています。

作業効率を上げることができる

正しい容器選びは、作業の時短や効率化につながります。特に、品数が多い場合は適切な容器を使用することで作業上のトラブルを回避することができます。

 

例えば、あらかじめ仕切りのある容器を使用すれば、運搬中にこぼれたり混ざり合ったりすることがなくなります。

 

また、事前に適切な容器を選び、素早く作業に取りかかることで、無駄な時間を減らすことができます。これにより、生産性の向上や、作業量の増加が見込めます。

テイクアウトの業態を始める前の注意点

備品の準備が十分かどうか

お客さんの中には、ランチタイムに商品を購入し、仕事場で食べるお客様もいれば、離れた自宅まで持ち帰る方もいます。

 

当然、適切なフードパック等の容器を使って商品を提供しなければなりません。

 

その際、スープやカレーなど汁物が漏れることがないか、また、衝撃で壊れてしまわないか、などを十分に確認してから準備するようにしてください。

 

また、お客様側も、せっかく買ったのに、開けたらひどい状態になっていた、ということが起こらないよう、注意する必要があります。

想定の売上に適した数を用意できるか

テイクアウトメニューの導入にあたっては、商品の数を適切に検討することが重要です。過剰な商品数は売れ残る恐れがあり、少なすぎるとお客様が購入することができません。

 

そのため、週の来店者数の傾向などを考慮し、適切な数の商品を準備することをおすすめします。また、テイクアウトメニュー自体も欲張りすぎると、どの商品を選ぶべきかわかりにくくなります。

 

お店の売れ筋やおすすめ商品に絞ってアピールすることで、お客様自身が選びやすくなります。

 

加えて、おすすめ商品であれば、お客様の期待を上回る商品を提供できる可能性があり、リピート率の向上にもつながるでしょう。

イートインとのバランスが考慮できているか

テイクアウトの導入にあたり、イートインと同時に対応できる体制を整えることが非常に重要です。

 

どちらかに偏りすぎてしまえば、お客様に最高品質のサービスを提供することが難しくなってしまう可能性があるでしょう。

 

両方の顧客が混み合ったときに、料理の提供時間が遅れてしまったり、注文を間違えたりすると、カスタマークレームを回避することができません。

 

したがって、テイクアウト商品をスムーズに提供できるようにすることを意識して、準備を徹底することが非常に重要です。

価格設定の方法をどうするか

テイクアウト商品の価格設定は、店内での提供とは異なる問題があります。

 

一例として、定食を店内提供価格と同じ1,500円でテイクアウト販売する場合、それだけでは割高感があり、消費者にとって魅力的ではないです。飲食店経営者にとって、価格設定は大きな問題の一つです。

 

消費者動向に基づく価格設定目安としては、一般社団法人日本惣菜協会の「2018年度惣菜白書」で紹介された月平均購入金額を参考にすると良いです。

 

それによれば、惣菜の月平均購入金額は2,000円未満であり、消費者が食品を選ぶ際には、美味しさに次いで価格を重視することが明らかになりました。

 

店舗がある地域に合わせた価格帯での販売価格を設定する必要があります。ただし、販売価格をあまり高く設定すると、赤字になってしまうこともありますので注意が必要です。

 

そして、店内で提供される料理には、お皿を洗って使い回せるという利点があります。一方でテイクアウト商品には、持ち帰り容器にコストがかかります。

まとめ

 

当記事では、テイクアウトにおける容器の選定方法について、詳細に解説いたしました。

 

もちろん、再利用可能な容器を選ぶことだけで売上が上がると保証できるわけではありません。

 

しかし、テイクアウトビジネスにおいて結果を出すためには、容器選び以外にもいくつかの重要な事項があることが分かっていただけたでしょう。

 

具体的に言えば、食材の鮮度や、お店のロゴが使われたバッグの用意、また、注文のわかりやすい表示など、テイクアウトの売上を伸ばすための多くの施策があります。

 

これらの施策を組み合わせて、お客様にとって利用しやすく、魅力的なテイクアウトサービスを提供することが、お店の成功につながるでしょう。

 

最後に、テイクアウトの容器選びに失敗したくない、安いものオシャレなものを検討している方は、あらゆる料理に対応できる『パックマーケット』の容器やカトラリーを参考にしてみてください!