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飲食店の目指す利益率は? | 利益率を上げる6つのポイント

飲食店を経営するにあたって、利益をどれだけ上げることができるかは重要なポイントです。

 

自分のお店は儲かっているのだろうか、現状のままで大丈夫なのだろうか。そんなときに役立つ指標の一つが「利益率」です。

 

「利益率」の計算方法をはじめ、飲食店経営において把握しておきたい数字「利益率」を上げるための具体的なポイントについても解説していきます。

飲食業界の平均利益率

 

経済産業省が発表した「商工業実態基本調査」によると、飲食業界全体における利益率の平均は8.6%です。思ったよりも低いと感じた方が多いかもしれません。

 

一般的に飲食店の利益率は10~15%あるのが理想とされていますが、中には利益率が30%を超える繁盛店も存在しています。

 

ただし、ひと口に飲食店といっても、レストランカフェバー居酒屋など、業態によって利益率の目安が多少異なることを覚えておいてください。

飲食店の利益率の計算方法

 

利益率とは、売上高に対して利益がどのくらいの割合を占めるのかを表す指標で、別名「営業利益率」とも呼ばれます。

利益率を算出するには、まず「粗利(売上総利益)」「営業利益」を知る必要があります。

粗利

粗利(売上総利益)とは、売上金額の総額である「売上高」から「売上原価」を差し引いた利益のことです。

 

売上原価とは仕入れや製造にかかった費用のことで、飲食店の場合は原材料費が該当します。


計算式で表すと、次のようになります。

粗利 = 売上高 – 原材料費


たとえば、1杯1,000円でパスタを提供しており、原材料費が600円だった場合、売上高の1,000円から原材料費の600円を引いて、400円が粗利となります。


また、売上高に対する粗利の割合を示す「粗利率」は、以下の計算式で求められます。

粗利率(%) = 粗利 ÷ 売上高 × 100


先ほどのパスタの場合、粗利率は「400 ÷ 1,000 × 100 = 40%」となります。粗利率40%とは、「パスタを1皿売ると、4割が利益になる」ことを意味します。

営業利益

営業利益は、粗利から店舗の家賃や人件費、光熱費などのコストを差し引いた利益のことです。

 

計算式で表すと、次のようになります。

営業利益 = 粗利 − 費用(固定費 + 変動費)

 

そして、一般的に「利益率」と呼ばれている営業利益率は以下の通りとなります。

営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

 

たとえばひと月の売上高が500万円で、売上高から家賃や食材費、人件費などすべてのコストを差し引いた営業利益が50万円だった場合、営業利益率は「50 ÷ 500 × 100 = 10」で10%となります。


「月に500万円も売上があるのに、手元には50万円の利益しか残らない」という数字だけを見て「少ない!」と感じる方も多いことでしょう。

 

しかし、飲食店の業態や規模によって違いがありますが、営業利益率の目安としては10~15%程度なのです。とはいえ、冒頭にお話ししたように飲食業界の営業利益率の平均は8.6%です。

 

このお店の場合は平均を上回っていることになります。一般的に、飲食業は他の業種よりもランニングコストがかかるため、利益が出にくい(利益率が低い)といわれています

 

まずは自分のお店の営業利益率を平均の8.6%を、そしてそれをクリアしたら10~15%を目指すようにしましょう。

飲食店にかかる費用の内訳

 

ここで、先ほど出てきた「固定費」「変動費」について、少し見ておきましょう。飲食店の経営にかかる費用には、固定費と変動費の2種類があります。


「固定費」とは売上高に関わらずかかってくる一定の費用のこと。

 

たとえば家賃や電気代などの光熱費の基本料金、正社員の給料などが該当します。

具体的な固定費の例

・地代や家賃

・電気など光熱費の固定契約料

・インターネットや電話などの通信費

・保険料

・減価償却費

・支払利息

・物品リース料

・正社員の人件費

・税金

対して「変動費」売上によって増減する費用のことをいいます

 

消耗品である割り箸やナプキン、厨房で使うアルミホイルやラップ、食器用洗剤などは売上が増えると使用量が増えるので、消耗品費も変動費に該当します。

具体的な変動費の例

・消耗品費

・使用料によって変動する水道光熱費の使用料

・パート・アルバイトの人件費

・販売促進費・宣伝費

・運送コスト

 

つまり、固定費・変動費のコストが少なければ少ないほど、営業利益は大きくなります売り上げを上げるのはもちろん、コストを削減することによっても利益率を上げることができるのです。

 

一度、自分のお店の売上高だけではなく、原材料費をはじめとする変動費、家賃や税金などの固定費を洗い出し、営業利益率を出してみましょう。

 

一般的な目安となりますが、変動費は60~70%固定費は15~25%程度に抑えるのが良いとされています。自分のお店の現状を把握することから、利益率を上げる対策が始まります。

利益率を上げる6つのポイント

 

原材料費の見直し

飲食店において、絶対に必要なものは食材です。まずは食材にまつわる原材料費から見直しをしましょう。

 

飲食店経営で重視すべき指標の1つとして「FLコスト」と「FL比率」がありますFLコストは、食材費(Food)と人件費(Labor)を合計した金額です。

 

そして、売上高に対するFLコストの割合を算出したものFL比率になります。

・FLコスト=食材費+人件費
・FL比率=(食材費+人件費)÷売上高

飲食店のFL比率は、一般的に60%未満に抑えるべきだとされています。

 

また、食材費と人件費の割合は

食材費35% + 人件費 25% 程度が望ましいと言われているので、食材費にコストがかかりすぎていないかを見直す指標として活用するとよいでしょう。

人件費を抑える

人件費には正社員とアルバイトの両方が含まれます正社員の人件費は固定費ですが、アルバイトの人件費は変動費と両方に関係しています。

 

また、人件費=給与と思われがちですが、社会保険料、福利厚生費、賞与、通勤手当、役職手当なども含まれます。

 

まずは、来店客数を洗い出し、混んでいる時間帯、客数が少ない時間帯をしっかり把握して適切な人員配置をするように心がけましょう。

 

ただし人件費削減のしすぎでサービスの低下や、スタッフのモチベーションの低下が発生しないよう十分気をつけましょう

集客商品と高収益商品をバランスよく取り入れる

飲食店の原価率の平均は33%と言われていますが、全メニューの原価率を30%にすれば良いという訳ではありません

 

コストパフォーマンスを意識した「目玉商品」が必要です。

 

利益率は低くても、話題になりそうな「目玉商品」を用意し、他のメニューも併せて注文してもらうことで、最終的な支払い額の原価率を30%にすることをイメージするとよいでしょう。

 

利益率の高いメニューは他のメニューより目立たせて多くの人に注文してもらえるように工夫をしましょう。案内時におすすめメニューとして一声添える、ポップを作成して張り出すなど、一手間加えるだけで頼んでもらえるチャンスが増加します。

 

他にも

・人気もそこそこあり、利益率が高い商品なのにお客様にアピールできていなかったメニュー

・量と価格を調整することでオーダーにつながる利益率が高い(高くできる)メニュー

などにも力を入れましょう。

 

逆に、あまり人気がなく、利益率が低いメニューや仕込みに時間がかかったり、材料が特殊だったりする負荷が高いメニューは見直すことも方法のひとつです。

 

そもそも、メニュー数が多いと使用する食材が増えてしまい、食材ロスの原因と共にコンセプトからぶれてしまう可能性もあります。メニューの増やしすぎにも注意が必要です。

回転率を上げる

回転率とは1日にお客様が何回入れ替わったかを表します。

 

例えば、50席あるお店で1日100人のお客様が来た場合、2回転したことになります。この回転率を上げることで売上アップにも繋がります

 

来店するお客様は、団体客が多いのか、少人数での利用が多いのか。それによって、テーブルのレイアウト替えやテーブルの大きさを変更することで回転率のアップが見込めます。

 

お客様が少ないアイドルタイムは、タイムセールやハッピーアワー特典を付けるなど、工夫をすることで回転率を上げることが可能になります。

在庫管理を確実に行う

食材だけでなく、消耗品も含め在庫管理が出来ていないと、発注を余分にしてしまいます食品の場合は食材ロスを招いてしまいます。

 

ですが、食材ロスを気にしすぎて仕入れ量を減らすと、いざ注文が入った時に提供できないという機会ロスにもなります。

 

徹底的な在庫管理をして、適切な量とタイミングで食材・消耗品を発注することが重要です。在庫管理を徹底すると、お客様からよく注文されるメニューなどの傾向もつかむことができます。

 

予測を立てて発注できるようになると、食材ロスを減らすと共に売り上げアップ、最終的には利益率アップにもつながるのです。

時代にあったサービスを導入する

デリバリー・テイクアウトサービスの導入

コロナ禍で店内飲食は大きなダメージを今も受け続けています。そんな時代にあったサービスの一つがテイクアウト・デリバリーサービスです。

 

まだ導入していないのであれば、導入することで+αの売上を生み出すことが可能となります。食材ロス対策にもなり、人員の有効活用もできるのでおすすめです。

 

利益率の高いメニューをテイクアウトのラインナップに入れることで、利益率アップにも貢献できるでしょう。

テイクアウト導入の強い味方『パックマーケット』

業界トップクラスの品揃えで、テイクアウト容器をはじめとする業務用包材資材・消耗品などが、ここ一箇所ですべて揃うワンストップ通販サイト『パックマーケット』です。

 

テイクアウトサービスを始める際、新たに必要となるアイテムのほぼすべてがここで見つかります。

 

『パックマーケット』の特長は以下のとおりです。

入会費・年会費無料

事前の会員登録が必要ですが、登録料、入会費、年会費などは一切かかりません

サンプル無料

7000種類以上の対象商品から、15種類まで無料でサンプルを試すことができます

 

サンプルにはレジ袋やカトラリー類も用意されているので、関連商材すべてを一度に試せるので手間も省けます。

豊富なラインナップ

多種多様な容器、使い捨てスプーンなどカトラリー類、おしぼりやレジ袋、ポリエチレン手袋やヘアキャップなどの衛生関係商品除菌・消毒関連のアイテムまで揃っています。

小ロット注文も可能

必要な分だけ注文できるので、過剰在庫を持つリスクが軽減されます

注文も決済も簡単

スマートフォンやパソコン、タブレットから24時間注文が可能。決済方法はカード決済、コンビニ振込、銀行振込から選べます。

少人数向けのパーティプランを追加する

ここ数年、大人数での宴会やビジネスの接待による大規模な会食などの利用が一気に減少しました今後もこの傾向は続くと思われます。

 

しかし、少人数や一人での外食の需要は高いので、少人数でも楽しめるコースやパーティプランを打ち出すことで、顧客ニーズをとらえた差別化を図ることができます

接客しづらい現状を生かした改善

飲食店においても、極力接触を避ける傾向にある昨今。そこを逆手にとって利益率アップが見込める対策も工夫次第で見つかります。

思わず注文したくなるメニューブックの改良

スタッフが積極的にお客様に声掛けをするのは難しいので、どうしても最小限なオーダー内容になりがちです。

 

メニューブックやポップを改良し、より利益率の高いオススメメニューをオーダーしたくなるようにするのも方法のひとつです。

 

写真をもっと美味しそうなものに変更し、こだわりポイントや限定〇皿!など、目を引く内容に変えるだけでも効果があります

人件費対策にもなるオペレーションの改善

セルフオーダーシステムセルフレジなど、人同士の接触を極力避けるメリットと人件費削減のメリットもあるので、時代にあったオペレーションの導入も方法のひとつです。

まとめ

 

飲食店の経営を安定させるためには、売上や経費をざっくり計算するだけではなく、きっちり営業利益までを算出することが重要です。

 

まずは現状を把握し、お店の数字をしっかりと理解し、活用すること。

 

そして、焦らず地道に、営業利益率を上げるため、抑えられるコストを見極め、改善方法を模索していきましょう