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売れる野菜包装資材の選び方と種類 | おしゃれなパッケージデザインで売上アップ!

近年、働き方が見直され、農業は注目を浴びている職業のひとつです。今までサラリーマンとして会社勤務をしていた人が、農業に興味を持って脱サラするとういう話も、耳にする機会が増えたように感じます。

 

農業は美味しい野菜を作って終わりではありません。手をかけて作った野菜を、いかに売れる商品として出荷できるか戦略が必要となります。

 

今回の記事では、「どうやったら野菜の売上が上がるかわからない」「そもそも野菜の包装はどのように行うのか?」などの疑問にお答えし、野菜の包装資材の種類や選び方について説明していきます。

野菜の包装資材とは?

 

野菜は収穫後も呼吸をしているため、時間とともに水分が蒸発してしおれやすい特徴があります。

 

また、輸送や陳列時に野菜同士が触れ合うことで傷が生じ、劣化しやすくなります。そのため、野菜を傷や環境の変化から守り、長持ちさせる役割を担っているのが包装資材です。

他社との差別化するために

消費者は、野菜を購入するまでに「商品を認識→値段を見る→手にとる→鮮度を確かめる→産地を確認する」というステップを踏んでいます。

 

人は見たものを脳内で数秒もかからずに、必要か不要かの判断を行っていると言われ、その一瞬で消費者のニーズに対してどれだけアピールできるかどうかで、売れる野菜とそうでないものに分かれていきます。

 

野菜を購入してもらうためには、シンプル且つ分かりやすいパッケージで魅力を発信し、そこにしかない価値を伝えることが重要です。同じ野菜でも「他とは違う」ことを明確にし、他社との差別化を図っていきましょう。

野菜包装も販売促進ツールの一つ

どれだけ美味しい野菜を作っても、店頭に並んだ時の見た目が同じであれば、その価値は消費者には判断できません。

 

「朝採り野菜」「農家直送」といったフレーズや、生産過程のこだわり、生産者の顔などを付けると消費者の目も惹きやすく、他者との差別化も図れます。

 

生産者が直接伝えることができない商品の魅力・新鮮さ・安全性をパッケージが消費者に発信しているといっても過言ではありません。

 

包装方法やパッケージのデザインは、野菜の品質保持、保管・輸送の利便性だけでなく、販売促進のための広告効果も担っているのです。

 

新たに広告宣伝を行うためには費用がかかりますが、包装方法を見直し、消費者の目に留まる工夫をすれば、費用を抑えながら宣伝できるメリットがあることも知っておきましょう。

野菜包装の種類

 

商品を保護・保存するために木箱、缶、紙、プラスチックなど様々な包装資材が使われています。

 

輸送技術の進歩により、クッション材などで商品を保護して全国各地へ野菜が出荷されるようになりました。実際に野菜を発送する際に使われている資材の種類や特徴について、紹介します。

防曇(ボードン)袋

通常のビニール袋に野菜を入れると、野菜の呼吸によって蒸発した水分が袋の内側について曇ってしまいます。

 

見た目だけでなく、鮮度にも悪影響があるため野菜を入れる時には水滴がつきにくい加工が施されている防曇袋を使うのが一般的です。

 

誤った袋を選択してしまうと、カビが発生・しおれる・変色など野菜の劣化を早める危険があるので注意が必要です。防曇袋を選ぶときは、蒸れやすいものは有孔タイプ、乾燥しやすいものは穴のないタイプの袋を選びましょう。

 

・蒸れやすい野菜:トマト、きゅうり、玉ねぎ、なす、ジャガイモなど

・乾燥に弱い野菜:しいたけ、しめじ、大葉など

OPPシート

レタスなど球状で袋に入れにくい野菜を包装する時に使うカットフィルムです。

 

透明度が高く食材の見栄えに影響がないことや、デザイン印刷、JANコードを印刷したものもあり使いやすい素材となっています。通気性も良いため、葉物野菜に品質保持にも役立ちます。

スタンドパック

スタンドパックはデザインが豊富で、野菜売り場をおしゃれに見せる効果があります。

 

特にトマトやパプリカなど色彩が鮮やかな野菜をスタンドパックに入れて陳列すると、見栄えも良くお客様の目を惹きつけるでしょう。野菜が呼吸しやすいよう有孔付きのものを選ぶことをおすすめします。

野菜ネット

オクラや玉ねぎなどに使用されている野菜ネットは、通気性の良さが特徴です。ネットは野菜の種類に合わせて色を選択することができます。

 

食材と同色のネットに入れることで、野菜の色が鮮やかに見える仕組みです。ただし、土などの汚れがネットの隙間から落ちてしまいます。

 

ジャガイモやごぼうなど土付きの野菜には使用できないので注意しましょう。

高鮮度保持袋(オーロラパック)

OPP袋よりも鮮度・品質を長持ちさせたい場合は、高鮮度保持袋がおすすめです。

 

OPP袋の防曇性に加え、余分な水分の蒸発を防ぎ鮮度を保持しやすい機能がついています。水分と栄養素を循環させ、美味しさを持続できるメリットもあります。

野菜包装の選び方〜売れるパッケージって?

 

消費者が野菜を購入するまでには、店頭で野菜を見つけ、自分のニーズや安全性などが十分であるか確認するステップがあります。

 

その中で、必要な情報を発信し手に取ってもらえるパッケージにはどのような特徴があるのでしょうか。

消費者目線で色合い・原価・「おしゃれ」にこだわりすぎない

おしゃれな見た目は、消費者の目を引くために有効ですが、デザインにばかりこだわり、提供する野菜の品質が落ちてしまっては本末転倒です。

 

野菜を包装するときに大切なことは、その野菜の特徴に合った資材を選択すること・必要な情報が明確に伝わることです。野菜が持つ乾燥しやすさ、蒸れやすさ、色や大きさなど、それぞれの特徴を押さえておきましょう。

おしゃれなパッケージデザインのおすすめと注意点の紹介

 

パッケージは広告効果もあるのでポイントを押さえて、消費者が思わず手に取ってしまうデザインを目指します。

 

最も大切なことは、消費者が店頭で野菜を手に取った時に、商品の状態がわかりやすい、美味しそうだと魅力を感じてもらえることです。

パッケージデザインで注意すべき点は?

 

商品の顔となるパッケージデザインを考えるときに注意が必要なポイントを、いくつか例を挙げて説明していきます。

 

注意点 理由
防曇性 野菜の呼吸による水分の蒸発に加え、輸送や保管中の温度変化により、水滴が付着しやすくなります。

 

発生した水滴によって袋の中の野菜が見えにくくなるだけでなく、変色・腐敗を早める原因となるため、水滴がつきにくい加工を施します。

色合い 私たちの衣類のように、色の組み合わせによって野菜も見た目が変わってきます。

 

野菜本来の色を単色で見るよりも、鮮やかで美味しく見える効果が得られる効果を利用し、背景が黒い袋やトレーなども販売されています。

デザイン パッケージに施されたデザインは、商品の広告としての役割があります。

 

生産者の思いやアピールポイントなど、どのように商品を売りたいのか明確にし、パッと目を引くようなデザインを考えることがポイントです。

 

カラフルで目立つものより、シンプルで分かりやすい包装を心がけることが大切です。

 

・シンプルで中の野菜の状態がよく見える

・美味しさ・新鮮さ・安全性が伝わる

サイズ 野菜は種類や規格によってサイズや形状が様々です。

 

入れようとしている野菜のサイズに合った容器を選びましょう。

 

小さすぎると野菜が入らない、圧迫されて痛みやすいといったデメリットがあり、大きすぎても入れた野菜が小さく、貧相に見えてしまいマイナスの印象につながります。

おしゃれなパッケージの紹介

 

野菜の売上げ増加に役立つおしゃれなパッケージを紹介していきます。

 

種類 特徴
紙プラススタンドパック 片面がOPP防曇フィルム、もう片面には紙が使用されています。

 

ナチュラル感や温かみを演出でき、取手付きのデザインでは持ち運びも便利になります。

ブーケ包装 OPP防曇袋などを逆さまにして食材に被せ、テープや輪ゴム、リボンで留めます。

 

見た目がブーケのような形になり、可愛らしさを演出できます。

 

 

葉の上部が潰れにくい、きれいに見えるメリットもあります。

レターdeパッケージ プラスチック封筒(横長)の片面が白ベタになっていて、コメントの書き込みが可能です。

 

ハーブ類など、馴染みが薄く商品の特徴や種類などを直接伝えたいときに便利な資材です。

ブラック容器 黒には素材の色を引き立てる効果があり、トレーや袋の背景が黒く加工されている資材があります。

 

さらに高級感を出したい場合は、ゴールドのテープで固定するだけで雰囲気がグッと上がります。

量り売り+新聞紙 消費者が直接野菜を手に取って鮮度や安全性を確認した上で、必要な量を購入できるメリットもあります。

 

英字新聞などで包むと、エコで見た目もおしゃれな包装ができます。

 

 

新聞紙はリサイクルが可能で環境に優しい素材です。

 

パックマーケットでは、包装資材が多数取り扱われています。

 

環境に配慮したエコ素材や機能性が充実した袋や容器などもあるので、興味のある方はチェックしてみて下さい。スマホやタブレット、PCから24時間注文可能です。

エコな野菜包装とは?

 

SDGsで設定されている目標の中には、食糧生産や消費時に排出される廃棄物の削減や、プラスチックゴミの削減が掲げられています。

 

そのため、野菜の包装資材についてもエコな素材への転換が求められています。

 

プラスチック容器に入っていることで、多くの人が野菜を直接触れることがないので、衛生的だと感じるかもしれませんが、消費者の立場からも、人や環境にやさしい商品を購入する『エシカル消費』という価値観が広まっており、野菜の出荷〜販売までの環境への配慮にも着目されるようになってきています。

素材でエコに

タキイ種苗によって2019年度に実施された野菜と家庭菜園に関する調査では、野菜を購入するときに包装がない、もしくは少ないものに対して抵抗を感じるかどうかという質問が設けられています。

 

その結果、80%以上の人が抵抗を感じないと返答しています。さらに、包装が少ないもしくはない方が良いと回答した人も全体の60%の割合に達していました。

 

理由としては、「地球に優しい」「ゴミを捨てるのが面倒」「より新鮮だと感じる」といった内容が挙げられています。このアンケートからは、消費者が環境への配慮にも価値観を置いていることがわかります。

 

脱プラスチックは世界的な取り組みとなっており、今後も重要な課題です。商品の販売だけでなく社会的な取り組みにも貢献し、他者との差別化を図ることで消費者の共感・購入にも繋がります。

バイオマスプラスチック素材の活用

原料にバイオマスプラスチックを配合し、石油系プラスチックの使用量を削減した包装資材があります。

 

また、再生可能な植物由来の原料を使用するカーボンニュートラルによって、大気中に排出する二酸化炭素量を削減し、地球温暖化対策にも貢献します。

 

バイオマスを活用した資材には『バイオマスマーク』が表示され、合わせて表示されている数字は、バイオマス含有率を表しています。

紙素材の活用

紙はリサイクルが可能で環境に優しい素材です。

 

ナチュラルで暖かい雰囲気を出すこともでき、加工もしやすいためプラスチック素材に変わる素材として活用されています。畳むと容量を減らせるので、ゴミの削減にも繋がります。

まとめ

 

ここまで野菜の包装資材の種類や特徴を説明しました。

 

同じ野菜でも、パッケージや包装方法を工夫して他社と差別化を図ると、消費者へ野菜の魅力をよりアピールすることができます。

 

広告宣伝費を新たに増やす前に、包装を工夫して野菜を手にとってもらえるようにしてみましょう。